2015年4月25日11時56分首都カトマンズ北西77kmを震源として発生したM7.8の地震は、8400人以上の死者と多数の建物の崩壊を起こししました。聖路加国際大学は、2014年度からカトマンズの病院やヘルスポストで4年生の国際看護学実習を開始し、カトマンズのラリットプール看護大学とも交流を持っています。11月1,2日の2日間、地震から6か月を経た現在も、復興がままならない看護大学の現状を視察しました。
カトマンズの中心部のテントは撤去され、住民は損壊した家屋に当座の修理を施して生活し、ほとんどの都市機能が復興していました。もともと支柱を入れない煉瓦平積み構造の家屋だったため、崩れても煉瓦の大半が破損することなく残ったので、再利用してました。傾いている建物に木のつっかえ棒をしたり、トタンで小屋を建てたりと、工夫がいっぱいでした。
少し離れた村では、崩れた家の後に土を盛り、カリフラワーや菜の花(油をとる)を植えていました。農村部では若者が都市に働きに出ているため復興が遅れています。それでも助け合いながら暮らしています。
聖路加国際大学と交流のあるラリットプール看護大学は、築90年の5階建てです。建物のあちこちに亀裂が入り、国から使用禁止命令が出ました。400名近い学生が寄宿生活を送っているため、比較的新しい1棟に2段ベッドを目いっぱい入れて生活しています。授業は危ない建物の一階ですぐに逃げられる教室だけで行っています。困るのはトイレが2つしかないことです。全壊を免れた大きな建物は、解体に費用が掛かるので手つかずのまま残っています。仮の教室(昼)兼宿舎(夜)を2棟建設中です。
カトマンズの国際空港は当初から被害がなく、街の道路も全く被害はありません。タメル地区は商店もホテルも通常通り営業しています。折からの観光シーズンで、欧米からの登山客でにぎわっていました。観光名所のダルバール広場は、地震でいくつかの建物が崩壊しましたが、今はがれきが撤去され、被害の少無かった建物を十分見ることができます。ネパールの方たちは親切で正直で、いい方ばかりです。ぜひ観光にお出かけください。